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お客様からの質問『大工さんはどうなっているんですか?』

2021.06.27

小池 康也

Yasunari Koike


お客様から頂いたご質問です。
大工さんは、会社にいるんですか?
どこかの工務店に仕事を出すんですか?

よく受けるご質問です。
当社には、社員大工はおりません。
全て一人親方と呼ばれる自営業(会社組織なら社長)に、木工事をしてもらっています。

では、工事はその大工さんに丸投げ、一括下請けにしているんですか?

いいえ、大工さんには20種類以上ある工種のうちの木工事のみを担当してもらっています。その他の工事、例えば、基礎工事、タイル工事、左官工事、電気工事などなどは、当社から直接発注して、当社が工事管理をしています。

大工さんに、木工事のみやってもらう、の意味がよく分かりません!

よく分かります。
実はこの20〜30年で、工務店、住宅業界などの仕組みが大きく変化したことが理由にあります。
そちらを説明して行きます。

◾️製材は、大工さんはやらなくなった
 上記の様なご質問される方にとって、大工さんのイメージは、作業場にたくさん木材があるイメージではないでしょうか?

 そこでは、木材が製材されて、「刻み」と言われる柱や梁の接合部のほぞなどが緻密に行われている。
 冬には、山に入って柱材などを選び出し、山林業の方と打ち合わせする。
以前の工務店の社長、棟梁と呼ばれる方々がされていた仕事です。

 この仕事は、現在プレカット業者と呼ばれる専門会社が行っています。毎日、数十棟〜数百棟レベルの住宅木材を刻み作業を行い、建築現場に出荷しています。
 親の代、おじいさんの代から工務店を経営している会社は、大きな作業場をもっていると思いますが、今の大工さんは自宅しか無いという方も多いのです。
 つまり、昔と今では、大工さん(棟梁)のやる範囲が、全く違っています。今は工事範囲が、大変狭くなっています。

◾️基礎屋さんは居なかった⁈
 例えば、建物の基礎(家のいちばん下のコンクリート部分)工事は、基礎屋さんが行っています。
 しかし、この基礎屋さんの出現は、ここ20年前です。かつては、基礎工事も全て大工さんがやっていました。
 現在は、基礎屋さんは年間100〜200棟前後の基礎を施工します。慣れや専門性はすごいもので、スピード、価格なども圧倒的に基礎屋さんが有利になります。
 すると、元請会社(お客様と契約する工務店)も、大工さんがいても、基礎屋さんに発注します。そんなことで、基礎工事は基礎屋さんが施工する、業界の常識になりました。
 ここでも、大工さんの仕事はなくなり、専門施工業者にバトンタッチされています。

◾️かつては、大工と左官で家を作っていた
 昔の家は、工期が1年以上かかるのは当たり前。製材なども考えると、もっとそれ以上ですね。

 以前の体制では、基礎工事から躯体工事、仕上工事以外は、全て大工さんが担当。仕上げ工事は、左官屋さんがやる。
 つまり、家は仕上げ以外の全ては棟梁が率いる大工集団。仕上げ工事は、漆喰などの左官屋さんでした。

 ご存知の通り、今の家は、内部仕上げはビニールクロス(内装屋さん)、外部仕上げはサイディング(外壁屋さん)となりました。
 つまり、左官屋さんは仕事が無くなりました。

 左官屋さんは、廃業、又は、事業転換をしました。事業転換組は、基礎屋さんをやっておられることが多いのです。現場で基礎工事されている会社の多くは「〇〇左官」と書かれた車両が多いのです。
元々は、左官屋さんだった訳ですね。

◾️徒弟制度(とていせいど)の崩壊
徒弟制度とは・・、
中世ヨーロッパの手工業ギルドにおいて、親方・職人・徒弟の3階層によって技能教育を行った制度。また、一般に日本の年季奉公丁稚(でっち)などの制度をもいう(コトバンクより)

 大工さんの世界のイメージは、親方の元で、みっちり仕事をしながら、厳しくも優しく訓練されていく。これは、技術的、人格形成の両面から行われていく。
こんな感じでは無いでしょうか?

 何となくイメージ出来ると思うのですが、この様な制度は、ほぼ無くなっています。これは大工業界だけではなく、調理などの職人と呼ばれる業界全てだと思います。
 
 さて、棟梁、親方の仕事が狭くなってくると、現場では、プレカットされた木組みを組み立てて、下地工事を図面通りに進めていく木工事がメインとなってきます。
 この木工事だけであれば、若い大工さんでも工事が可能です。徒弟制度の崩壊と共に、工務店でも、大工さんは、ほとんど一人親方と呼ばれる自営業の大工さんの集団となって来ました。
 この場合、社長は仕事を探して受注。その仕事を、所属している大工さん達に割り当てする、そんな流れが出来てしまいました。
 技術的な人材紹介会社的な側面も大きくなりました。

この様に、工務店、住宅業者を巡る環境も大きく変わりました。

◾️金槌を持つか、ペンを持つか
 我が社も、工務店と思っています。全国の同業の仲間の何となくのイメージとして、ハウスメーカー=量産住宅があり、頑固に工務店といっている節があります。
 といっても、大きな作業場を持っている訳ではありません。金槌が、ペンに変わって来ましたが、それは時代の流れというものだと思います。

 これからも、どんどん変わっていくと思います。
SNSなどはデザインの考え方も変えるかも知れません。
「世の中で起こっていることは、全て良いことだ」と考えて、流れを受け止めたいと思います。

小池 康也

Yasunari Koike

趣味:

ソシアルダンス、パーソナルジムで筋トレ、レイトショーで一人映画鑑賞、美しいものを眺めること

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