気を満ち溢れさせる4条件
唐池恒二(JR九州会長)
繁盛する店と繁盛しない店を分ける一番の要素は、その店に気が満ち溢れているかどうかだと気が付きました。
気というのはたとえ初めて行く知らない店でも、何故か入る前から薄々感じるものです。
キレイに掃除されていたり、元気の良い声が飛び交っていたり、そういう店はいい店だなって思いますよね。実際、料理もサービスもほとんど間違いない。
では、気を満ち溢れさせるにはどうするのかと。
これは外食産業時代から今も社員に言い続けていることですが、一つは「スピードあるキビキビした動き」。迅速に動くと気が集まります。
二つ目は「明るく大きな声」。
挨拶にしても打合せや電話にしても、小さな声でヒソヒソ喋っている人がいるんですけど、それじゃあ全然職場に気が溢れません。だから、もっと明るく元気に大きな声を出せと、こう言うんです。
三つ目は、「隙を見せない緊張感」ですね。誰に対して緊張感を持つのか、それはお客様です。
現場は常にお客様に見られているので、お客様がいつ来られても良いような姿勢を整えておく。
接客サービスで一番大事なのは「待っている時の姿勢」なんです。
お客様は大抵予告なしで突然いらっしゃいますよね。その時に、いつ来店されても良いような表情、態度、事前の準備が出来ているかどうかです。
客席の横に段ボール箱が放置されていたりすると、それだけでもうこの店はダメだなと思いでしょう?
普段から準備していないと咄嗟の時に対応出来ない。毎日「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」の声出しや笑顔の練習の訓練をしていると、咄嗟の時も自然と出せる。お客様に隙を見せない緊張感を持つとは、準備を徹底すると言うことなんです。
四つ目は「貪欲さ」。もう1人お客様に入って頂こうと呼び込みするとか、もう一本ビールをお勧めしようかとか、あるいはもっと自分を成長させようといった追求心、向上心です。
「スピードあるキビキビした動き」「明るく大きな声」「隙を見せない緊張感」「貪欲さ」この四つを徹底的に現場に浸透させる事で、8億円の赤字を抱えていた外食事業を3年で黒字化へと導く事ができました。
その後、鉄道事業でも同じ手法を用いて改革に当たりましたが、気というのは規模の大小、業種の違いに関係なく、どんな組織でも共通するのだと確信しました。
365人仕事の教科書(致知出版)
◾️成功する人は何故、他分野でも上手く行くのか?
スポーツで監督が替わると、万年ダメチームが蘇って優勝したりします。
しかも、その監督が行くチームはいつも成績が良い。これって、何なだろうか?と思うのです。
経営も同じで、全くの異分野から急に社長になって、知識が無いはずなのに会社がよみがえる。
例えば、潰れた日本航空JALが、京セラ稲盛会長の元で過去最高利益となったりします。
結局、大切にしなければ行けないことは、究極では同じことなのだと思うのです。
上記の内容も、外食事業とJR電車事業と同じとの紹介です。
この4条件「スピードあるキビキビした動き」「明るく大きな声」「隙を見せない緊張感」「貪欲さ」は、真理なのかもと思います。
趣味:ソシアルダンス、パーソナルジムで筋トレ、レイトショーで一人映画鑑賞、美しいものを眺めること