【 働くとは、サービスすること 】
水戸岡鋭治(工業デザイナー)
問題を一つずつ経済性と文化性に分けて、そのバランスを保つ様にして行くと、皆がそこそこ好むものが出来上がってくる。
福沢諭吉も述べているように、哲学と歴史学と経済学の三つがバランスが取れていないと、いいものができないよと。
いくら知識があっても、それを使えないと意味がない。そういったことを実現する場として、仕事というものがあると思うんです。
私は、働くとは即ち人にサービスすることだと思うんです。人のことを考えられるのは能力が高いということであり、幸福になれる基本でないかと。
だから、私の事務所では、10名ほどのスタッフがいるのですが、来客の予定があると「こういう人でこのくらいの年齢だ」と言って弁当を買いに行かせます。お客様のことを考え、いかに良い弁当を買うことができるか。それが出来ない者に良いデザインは出来ません。
お客様には、1時間おきにお茶を出し、3時にはおやつを、夜には夜食を用意する。だから会議があると大変で、社員はデパートに買い出しに、お茶出しにと、一日中走り回っています。
会議とはどういうものであるかが若い人にはなかなか分からない様ですが、良いお茶が出たり、いいお菓子が出ると良い会議が出来る。
だから新人は皆それを一年なり二年なり一日中やるんです。おいしいお茶が出るとお客様も長居されますから、豊かなコミュニケーションが出来て、良い信頼関係が生まれるんですね。
だから若い子にはよく言うんですが、絵を描いたり、コンピューターを動かしたり、そんなことはいつでも出来るよと。新人の時にお茶を出しをやったり、弁当を買いに行ったりした事が、後でどれだけ役に立つか。棚から食器を出して、どれをどう使うか考えているだけでセンスは磨ける。
つまりデザインセンスは、テーブルの上だけでほとんど磨けるんですね。最も難しく、かつ最も大事なことが、『人にサービスをすること』ですから。
365人の仕事の教科書(致知出版)
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